解析・診断システム
ポータブル振動解析システム Kenjin
製品概要
Kenjinは、小型・軽量で軽々と持ち運べるポータブル振動解析システム
振動解析システムが設置されていない機械設備で異常が発生した時の振動解析実施や、スタートアップ/シャットダウン時のトランジェントデータ収集に最適です。
導入メリット
- スタートアップ/シャットダウン時や異常振動発生時のデータを容易に収集できます。
- その場で異常解析を行うことができるので、回転機械の致命的な事故の防止が図れます。
特 長
- ・小型・軽量で機動性抜群
- 寸法:96(W)×224(H)×163(D)mm 質量:2.6Kg
- ・素早くセットアップ、その場でデータ解析を実現
- シンプルなシステム構成なので、すぐにセットしてデータ解析が開始できます。
- ・高速データ収集
- トレンドデータ 最短0.1秒、波形データ 最短0.1秒のデータ収集間隔を実現します。
※入力点数と周波数分析ライン数により異なります。 - ・高度なデータ解析と豊富なグラフ
- 機械の種類や解析したい異常状態に合わせ、振動診断技術者の高度なニーズに応える豊富な解析グラフを展開できます。
- ・ユーザーフレンドリーな操作性と描画機能
- ドラッグ&ドロップによるグラフ表示操作や、タブ選択によるグラフエリアのページ切り替えなど、直感的な操作ができます。
システム構成図
ポータブルデータ収集装置とノートPCによるシンプルなシステム
対象機器
蒸気タービン、ガスタービン、発電機、給水ポンプ、ファン、ブロワ、コンプレッサ、BOP装置 など
データ表示例
- ・ポーラ線図
- 機械のスタートアップ/シャットダウン時の振動ベクトルを表し、バランスの状態や振動状態・危険速度の把握ができます。
表示データ(切替表示):1X、2X 任意の過去データとの重ね書きも可能です。
- ・ウォーターフォール図
- 奥行(Z軸)を時刻表示としてスペクトルを時系列に並べて表示した3Dグラフです。
時間変化に対応した周波数成分の変化とその全体像を解析することができます。
奥行(Z軸)を回転数としたカスケートグラフも表示可能で、回転数変化に対応した周波数成分の変化とその全体像を解析することもできます。
- ・トレンドグラフ
- 横軸を時間軸として測定値や解析データの経時変化を時系列グラフに表示します。
表示データ(複数選択可):回転数、GAP、OA、0.5X振幅、0.5X位相、1X振幅、1X位相、2X振幅、2X位相、Not-1X振幅、nX1~nX4振幅および位相、SmaX振幅、各種警報設定値。
- ・キャンベル線図(オプション)
- 横軸に回転数、縦軸に振動周波数、原点から放射状に次数毎の直線を示し、振幅値を円の大きさで示したグラフです。これにより回転数変化に伴う振動の大きさと周波数の変化の全体像を分析、また一連の振動が特定の次数に沿っているのか、特定の周波数成分なのかを視覚的に把握できます。
- ・オービット&波形グラフ
- X・Y各センサからの信号を合成し、回転中の軸心のダイナミックな触れ回り(軌跡)を表示します。
オービットの形状によりアンバランス、ミスアライメント、オイルホワールやオイルホイップなどの異常状態を推定できます。
- ・ボード線図
- 横軸を回転数として振幅と位相を別々のグラフで表示します。機械のスタートアップ/シャットダウン時の振動状態・危険速度の把握ができます。
表示データ(切替表示):1X・2X 任意の過去データとの重ね書きも可能です。
異常解析事例
- ・不つりあい振動
- 回転体の軸中心と回転中心のずれ、あるいは回転体を構成する部品の欠落(飛散)により、不つりあいが存在すると発生する振動です。この振動は、回転同期周波数成分(1X)の振動が発生し、時間的な振動値の変化は少なく再現性があるといった特徴があります。
S-Vグラフ
スペクトル
- ・オイルホワール振動
- すべり軸受で支持された回転機械特有の自励的な不安定振動で、すべり軸受の形状や油膜特性などの影響により発生します。この振動は、一次危険速度の2倍以下の回転数で発生し、回転同期の1/2倍周波数成分(0.5X)の振動が発生するといった特徴があります。
S-Vグラフ
スペクトル
- ・ミスアライメント振動
- 被駆動側回転機械と駆動側回転機械の軸を連結した時に、それぞれの回転軸中心がずれると発生する振動です。この振動は、回転同期周波数成分(1X)の他に高調波数成分(2X、3X)を含む振動が発生するといった特徴があります。
オービット&波形グラフ
スペクトル
オービット&波形グラフ
スペクトル
- ・ロータ構成部品の欠損
- 回転体を構成する部品が飛散すると同時に不つりあい振動の状態が突然変化します。この時、回転同期周波数成分(1X)の振幅と位相角(振動ベクトル)が突然変化するといった特徴があります。
ポーラ線図
ユーザーフレンドリーな操作性
Kenjinは、専門知識の少ない方でも直感的に操作できるユーザーインターフェースを備えています。
導入後、特別なトレーニングなしで誰でも使えます。
- ・ドラッグ&ドロップ
- 画面左のツリーから必要なグラフを好きな場所にプロット。
- ・タイル表示
- タイル表示された画面から、必要なグラフをすぐにピックアップ。任意の測定点が表示可能。
- ・タブによるページ切り替え
- 任意のグラフ表示ページをタブで簡単切り替え、新ページ作成も容易。(最大20ページまで)